絵の資料室に隔離されて、がんばったフク。
このときはまだフクという名前ではありませんでした。
まずトイレのしつけです。
ノラの赤ちゃんネコだからと部屋のひと角に、防水シート、新聞紙と重ねて敷き、このチビちゃんのもらしたオシッコを染みこませたネコ砂を入れて、じっくり覚えてもらおうと用意しました。
3時間おきの目薬の時間、部屋に行くと本棚の中に隠れていました。
トイレを見ると最初はその周りで軟便とオシッコ跡。
あるときミルクをあげて、お薬を注射器であげて、目薬をさしていると、このコがあわててトイレに向かってかけていきます。
間に合いませんでした。
お尻がゆるくてタラタラとこぼしながらネコ砂にしゃがんでいました。
頑張ってトイレに向かうのだけど、タラタラこぼしながら走る姿は微笑ましかった。
ここから、最初は「ピッピ」とか「ピッキー」などと呼ぶようになったのです。
興味津々!
3日ほどして獣医の先生に目をみてもらいました。
少し開きかけていました。
そのとき、初めて看たときの印象で先生は目はダメかもしれない、と思ったことを話してくれました。
小さな歯が生えていたので「缶詰などのネコごはんあげていいですよ」とも教えてもらいました。
うちのセンセイは、早く元気になってほしいと鶏のささみをミルクでゆでて、栄養価の高そうな赤ちゃん用のネコ缶といっしょにあげました。
こうしたセンセイとわたしと、ピッキーの3時間ごとの時間が続きました。
部屋にはいると本棚から出てきて、わたしたちを見上げて「ウレシー!」と鳴くようになりました。生きててウレシー!そう言ってました。
1週間が経って、がびがびだけど目がしっかりと光を帯びて、うんちも普通に出るようになり資料室の戸を開けることにしました。
…続く。
(…by こうげん)