ネコの肉球をさわるとなごむ、とか萌える、という話を聞きます。
たしかに適度にやわらかく、ヒトでいう手の平にあたるところをきゅっと押すと指が開いてパーになる、などいろいろ遊べて楽しい肉球です。
お昼寝中のポッケの肉球
お昼寝中のフクの肉球
ネコはこの肉球で汗をかいてることをうちのセンセイに教えてもらったとき、内心とってもくやしいと思いました。
わたしは生まれたときには、おばあちゃんがネコ好きだったので家の中にネコがたくさんいました。
この子供時代のネコ観察から、ネコはネコ舌ではない!と思うようになりました。というのは、熱々の鯖味噌煮を鍋からはたき出して、くわえて逃げたのを見たからです。
上京して神田川沿いのアパートに暮らしているとき、もう30年も前の話です。商店街のいろんなお店でそれぞれ名前をつけてもらって可愛がられていたネコがいつのまにかわたしの部屋に暮らすようになっていました。
日曜日に香水の香りをさせて帰ってくるようになり、このネコの首輪にラブレターを結わえ、近所の会ったことのない、おそらく若い女性だろうと堅く信じて伝書ネコにしたことがありました。
娘が1歳のとき、大家さんと共同でネコを飼いました。
ほんとうのところは、そのネコが大家さんとわたしの家を選んで2軒の家を自由に行き来していた、というネコ主導型家選びだったようです。
このネコは外で頭にくることがあると、ベランダから飛び込んできて娘の足を思いっきりかんでウサ晴らしをしていました。
そして今のネコたちといっしょに暮らすようになりました。
このコたちの話は、またゆっくりと書きます。
で、その肉球の話は教わるまで知らなかったのでした。
このネコとの長い人生を送ってきたわたしが、不思議なことに肉球で汗をかいているなど気づきもしなかったのです。
いつも側にいるのに気がつかなかった“肉球から出る汗”、まだ知らないことがあるんじゃないかと思うのです。
(…by こうげん)