ヒトより賢いネコたち

写真と文で綴る、ネコを溺愛する毎日を紹介します!———ポケネコ本舗

むかしむかし…

50代なかばのわたしが書きたくなったこと。
コンピュータとの出会いです。

子供のころ、昭和30年代後半、小学生だったわたしは手塚治虫先生のまんがに夢中でした。
少年マガジンだったと思います。
未来の地球は!?、こんな特集でした。
巻頭のカラーページをめくるたびに、映像がディスクに入っていたり宇宙と交信したり、目に飛び込んでくる夢のような世界に頭がくるくるしていました。

新聞を開くと、スーパーコンピュータの開発競争が目に飛び込んできました。
きっと、コンピュータというのは世界を変えるんだろうな、と小学生のわたしは信じていました。

大学生になって、友人がシャープのマイコン(だったかな)を手に入れて見せてくれました。
ベーシックという言語を入力して、さあ、何ができる?というと、計算機と同じでした。
毎回、起動するたびに入力するのは大変なので、カセットレコーダーにロードしておきます。
ガー、ピー!そんな音でプログラムが記録されていきました。
わたしは、あっという間にあきてしまいました。

コンピュータで何ができるのか?
計算機ではつまらない、でも、もっと次の世界を想像するにはそのマイコンで何をしたらいいのか解らなかったのです。

出版社に就職して、手書きの原稿、写真やイラストの現物入稿、写真植字の指定、版下作成、活版、オフセット、グラビア印刷、そんな毎日の仕事で、わたしはコンピュータとの関わりを忘れていたときがありました。

あるとき、ソニーからポケットコンピュータが発売されました。
幅はカセットテープより小さく、電子計算機よりも小さなキーがついていて、ロール式のプリンタが付属していて印刷もできました。

会社へ持っていって、自慢げにさわっていました。
上司から「これじゃあ、シャープの電子計算機の方が早いじゃないか!」と言われました。

そうです、そのポケットコンピュータはあのシャープのマイコン同様、起動するたびにプログラムを小さなキーで入力して、セットアップが終わってから計算すると小さなプリンターが出力してくれる、タイプのコンピュータだったのです。
電子計算機は、電源を入れるとすぐ使えます。
そのポケットコンピュータはプログラムの入力に10分以上かかっていましたから、計算はその後です。後ろから興味深げに見ていた上司は「なーんだ!」という表情に変わっていきました。
わたしはコンピュータらしいいろんな出力をしてみたかったけど、上司が見たかったのは、コンピュータらしい計算の速さだったのです。

再び、コンピュータから遠ざかったときでした。
>>続く by こうげん