ポンタの姿を見ていない。
フクお嬢さんの仲良し、ジンジンのライバル(のようなのだ…)。
↑ポケネコ本舗に登場する、デヘヘことポンタ
で、住まいを見に行って判った。
ポンタは近所の公園のベンチで暮らす自由人の男性と暮らしていた。
その人の寝床であったベンチに仕切りが取り付けられていた。
その公園はその人にとって快適な住まいではなくなっていたのだ。
雪が降り積もる日だった。
寒かろうと心配して温かい飲み物など差し入れに行くと、公園の近所の人が同じように心配して集まっていた。
公園に暮らしながら、愛されていた人なのである。
桜が咲く前にはベンチにこんなことはされていなかった。
その人はどこか、暮らしやすい公園に引っ越したのだろう。
…ポンタを連れて。
ポンタはこの人が大好きだった。
夕方、仕事を終えた男性が帰ってくると尻尾を立てて、甘えた声を出しながら走り寄って行く。
そんな光景を何度も見て、ちょっぴりうらやましかった。
こんなに猫に愛されているなんて、と。
うちのフクお嬢さんが帰ってこない夜、この人のところへ行ってポンタと話をしたことがある。
「うちのフクが帰ってこないのよ。ポンタ、フクに心配してると伝えてね」
…と。
その人は、「いいなぁ、ポンタにはこんなに友達がいるんだぁ!」
うれしそうだった。
次の日の夕方、家の裏のネコ道にポンタが現れた。
フクお嬢さんと一緒に。
ポンタは人語を解する、そんなとっても賢いネコだった。
幸せであってほしい、そう願っている。