九州男児が面白い!昭和の快男児 ジャッキーの政坂口拓史/著レーベル/タイクーンブックス シリーズ/坂口拓史作品集 発行/タイクーン 価格/1000円(税別) ダウンロード発売 »» »»電子書店パピレス @nifty So-net OCN livedoorBOOKS Yamada-Denki ほか »»楽天koboイーブックストア »»puboo »»DL-MARKETで購入 ■販売サイトトップページ、検索窓に[タイクーン]または[書名]を入れると一覧が出ます。 |
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坂口拓史●1942年、台湾生まれ。
戦後、熊本県八代市に引き揚げ、八代第一中学校、私立九州学院高等学校を卒業後、法政大学二部文学部を経て、㈱セコム(当時は日本警備保障)に入社。日本平和警備保障㈱代表取締役を37歳まで勤めた。
中学時代から剣道を修業し、「橋戸剣道団」総監督として指導者の経験もある。
32歳のとき処女出版『実録万引』(ちはら書房)が、NHK「ルポルタージュ日本」で放映。
38歳のとき、作家として本格スタート。
『万引』(国書刊行会)を原作にし、テレビ朝日の二時間ドラマ「月曜ワイド劇場」では「女性万引ガードマン」、および続編が放映。主演大空真弓、他に山本学、ちあきなおみ、風祭ゆき等の出演で25%の高視聴率をマーク。また、『トリカブト事件』は、早見優、増田恵子の共演で放映。他に「地球発19時」「素敵にドキュメント」「3時のあなた」「われら高校生」など数十本のテレビ放映を構成及び出演。
実母・坂口れい子は、丹羽文雄門下の女流純文学代表作家。14歳で講談社少女クラブ懸賞小説特選、第三回新潮賞受賞、第一回台湾文学奨励賞受賞、芥川賞次点三回など多数。
実父・坂口貴敏は、歌人若山牧水最後の弟子。九州を代表する歌人であり、戦前の作文教育の第一人者。著書に『綴方の観賞』他。
【著作】
「銀髪鬼―泉勝寿と阿蘇高校剣道部の軌跡」 (剣道日本プレミアム)
「トリカブト事件」(新風舎文庫)
「騙す人と騙される人のちょっとの違い コミック詐欺事件白書」 坂口拓史/原作 ほんまりう/漫画 (あおば出版)
「バカは借りるな コミック多重債務白書」 坂口拓史/原作 SOW企画・無料相談室「愛」・赤坂法律事務所/協力 (あおば出版)
「与那国海底にムー文明の巨大遺跡を発見した」 坂口拓史/著 (たま出版)
「商工ローン被害者救済への道」 坂口拓史/著 (国書刊行会)
「ザ・シゴキ―実録 応援団」(時事通信社)
「独立し成功した男たち―こんな時代だから挑戦しろ!」(廣済堂出版)
他多数。
日本にこんな面白い男がいたのか!
少年期は中国で馬賊を目指し、戦中は零戦乗り、戦後は横浜・京都でつぎつぎと事業を手がけ、九州の映画興行の世界を作り上げた。
カラダひとつで勝負した男の中の漢、九州が生んだ昭和の快男児、ジャッキーの政こと沢政一のドキュメント小説。
──昭和の弁慶現わる!! 〝ジャッキーの政〟誕生──
昭和二十一年秋。
まだ二十代半ばの武専出身の若者たち、柔道三段の猛者が五人一緒だった。
京都に空襲はまったくなく、街並は焼けることなくそっくり残った。
武専出身の若者たちは、全員が一癖も二癖もある顔をしていた。復員兵の沢政一は二十一歳、ふてぶてしく三癖ぐらいあるから、他人のことは言えない。
金は横浜で荒稼ぎしたものがリュックにいっぱいあった。
夜になると、鍋をつつきながら酒を飲む。闇でウイスキーや日本酒が揃った。
いくら食糧不足でも、金さえあればなんでも手に入った。
「オイ、このままアメ公さんに舐められていいと思うか?」
「冗談じゃねえ。大和魂が泣くぜ」
「弁慶が太刀千本なら、俺は帽子千個取って見せる!」
「ヨーシ! これから、アメリカ兵の軍帽を千個取ろうぜ」
「どうせなら、五条大橋やな。日本人の根性みせたる」
「どいつもこいつも、川んなかに叩っ込んだる」
食ってたのが軍鶏鍋のせいか、みんな意気軒昂だった。谷村は穏やかに笑って、若者たちの血気を眺めていた。止めて止まるものじゃない、と知っていたのだ。
政一は最年少だったが、気概だけは誰にも負けなかった。それに島原中学で柔道三段を取得していた。
世の中、誰でも腹を空かせ、やるせない憤りに怒りまくっていた時代だ。
翌日の夜二十時〇〇分、六人は酒も飲まず五条大橋に立った。柔道着姿で高下駄をはいている。人通りは絶え、たまに通るのは酔っ払って、丸太のような腕に、日本の若い女をぶら下げた米兵だけだ。
仕事は簡単だった。仲間の一人が、米兵の帽子をヒョイと取る。
他の仲間が軍服の襟をつかむ。女がキャアキャア騒ぎ、ハイヒールを脱ぎ捨て、ペタペタと逃げ去る。
哀れな米兵は若者の腰車に乗せられ、次の瞬間、欄干を越えドボンと盛大な水音を立てた。昭和二十一年十一月の中旬のことだ。米兵は寒かったり、驚いたりでたいへんだったことだろう。
五日間で六人の弁慶たちは、米兵を次々に闇討ちにし、合計十九個の帽子を取り、連れの女が逃げ出したり、立ち竦んでいる間に、米兵を川に投げ込んだ。
そして、サッと風のように立ち去るのだ。谷村は万一のことを考慮して、家で待機していた。
痛快この上ない。帰ってから冷酒をあおり、飯を食った。
米兵も命に別状ないから、帰隊して何も言わないらしく、弁慶たちにおとがめはなかった。
六人の弁慶のうち二人が、小さな碇をロープの先に結びつけ、忍者よろしく中型の鍵縄を作り、ロープの反対側を欄干にグルグル巻きにした。これで走るジープに碇を投げ、引っかけようというのだ。
ある夜、一台のジープが通りかかった。五人の白いヘルメット姿の米兵が乗っている。
左腕には「MP」の腕章が巻いてある。
「オイ、ありゃあMPだぜ」
「MPが恐くて、ゼロ戦に乗れるか!」
一人が小型の碇を投げた。後部座席に引っかかる。ロープが伸び切り、大橋をきしませてジープが止まった。急停車したはずみに、大男が三人車の外に投げ出された。
「Who аre you!」
「What shall I do?」
「デカイ面するなつーんじゃ。ここは日出ずる国、天子の都やぞ。ウオリヤー」
弁慶たちが、何か叫んでいる大男たちを、橋の上から川に投げ込む。あまり深くないから溺れる心配はないが、その分痛いはずだ。
車にへばりついていた二人も引きずり出し、千切っては投げた。
奪い取った軍帽は、戦利品として部屋に飾った。
あまりにも易々と手に入るので、みんな拍子抜けした。
どこでどうわかったのか、都新聞がかぎつけた。
第一部 快男児──5
エピソード1 昭和の弁慶現わる!!〝ジャッキーの政〟誕生
小さなプロローグ2 頸動脈が切れた──10
第一章 生い立ち1──4
第二章 馬賊志願──45
第三章 青雲の志──68
第四章 ゼロ戦乗り──97
第五章 終戦──135
第二部 ジャッキーの政と呼ばれて──147
第六章 帰郷──153
第七章 菊田一夫の知遇──192
第八章 命知らず──209
あとがき──221
坂口拓史プロフィール──225
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